歯周病で知覚過敏が起こる理由と正しい対処・予防法
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「最近、冷たい水がしみる」「歯ブラシが当たるとチクッと痛い」
このような症状がある場合、単なる知覚過敏ではなく、歯周病による歯ぐき下がり(歯肉退縮)が関係している可能性があります。
歯周病は日本人の成人の多くが罹患しているといわれる非常に身近な疾患です。しかし、初期段階では痛みなどの自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行してしまうことが少なくありません。その結果、歯ぐきが下がって歯が長く見えるようになったり、歯根が露出して知覚過敏の症状が現れたりするのです。
本記事では、
歯周病で知覚過敏が起こる仕組みや症状の特徴、歯ぐき下がりの原因、そして対処法や予防方法についてわかりやすく解説します。
1. なぜ歯周病で知覚過敏が起こるのか?

歯周病による知覚過敏は、歯ぐきが下がって歯根が露出することによって起こる場合があります。
歯周病は、歯と歯ぐきの境目に付着したプラーク(歯垢)内の細菌によって、歯ぐきに炎症が起こる病気です。初期段階では歯肉炎と呼ばれ、歯磨きの際の出血や軽い腫れなどがみられることがあります。炎症が進行すると歯周炎となり、歯を支えている骨(歯槽骨)が徐々に吸収されていきます。
歯周病による炎症が長く続くと、歯を支えている骨が減少し、それに伴って歯ぐきも徐々に下がることがあります。このような状態を歯肉退縮と呼びます。歯ぐきが下がると、これまで歯ぐきの中に隠れていた歯根部分が口の中に露出するようになります。その結果、歯が以前より長く見えるようになったり、歯と歯の間のすき間が目立つようになることがあります。
歯の表面は通常、硬いエナメル質に覆われており、外部からの刺激を防ぐ役割を担っています。しかし、歯根部分にはエナメル質がなく、象牙質という組織が表面に近い構造になっています。象牙質には「象牙細管」と呼ばれる非常に細い管が多数存在し、その内部は歯の神経とつながっています。
歯ぐき下がりによって歯根が露出すると、冷たい飲み物や歯ブラシの刺激、甘いものや酸性の食品などの刺激が象牙細管を通じて神経に伝わりやすくなります。そのため、冷たいものなどが触れたときに「しみる」といった知覚過敏の症状が起こることがあります。
2. 歯周病による知覚過敏にはどんな特徴がある?

歯周病による知覚過敏は、冷たいものや熱いものなどの刺激によって一時的に強くしみるのが特徴です。例えば、冷たい水を飲んだときや歯ブラシが当たったときに、チクッとした鋭い痛みを感じることがあります。ただし、多くの場合は刺激がなくなると比較的早く痛みがおさまる傾向があります。
歯周病が原因の場合、歯ぐきが下がって歯根が露出していることが多く、歯と歯ぐきの境目付近でしみる症状が出やすいことがあります。また、歯ぐき下がりによって歯の根元が見えるようになったり、歯が以前より長く見えるように感じたりする場合もあります。
さらに、歯周病による炎症が続いていると歯ぐきが敏感になりやすく、歯磨きの際に刺激を感じたり、歯ぐきから出血がみられたりすることもあります。このような症状がある場合には、単なる知覚過敏ではなく、歯周病による歯ぐき下がりが関係している可能性も考えられます。
しみる症状が続く場合や、歯ぐきの変化が気になる場合は、歯科医院で状態を確認してもらうことが大切です。
3. 歯周病で歯ぐき下がりが起こる主な原因

歯ぐき下がり(歯肉退縮)は加齢だけで起こるものではなく、複数の要因が関係していることがあります。ここでは代表的な原因を紹介します。
3-1. 歯周病による慢性的な炎症が歯ぐきを下げる
歯周病では、歯と歯ぐきの境目に付着したプラーク(歯垢)内の細菌によって炎症が起こります。炎症が長期間続くと、歯を支えている骨が徐々に吸収されていきます。
骨の吸収が進むと、それを覆っている歯ぐきも後退し、歯根が露出することがあります。これが歯周病による歯肉退縮の基本的な仕組みです。
3-2. 強すぎるブラッシングが歯ぐきを傷つける
歯をきれいにしようとするあまり、強い力で歯磨きをしてしまうことがあります。しかし過度なブラッシング圧は、歯ぐきを物理的に傷つける原因になります。
特に硬い歯ブラシで強く横磨きを続けていると、歯ぐきが徐々に下がったり、歯の根元が削れて「くさび状欠損」が起こることがあります。
この部分では象牙質が露出しやすく、知覚過敏の原因になることがあります。
3-3. 歯ぎしり・食いしばりが歯周組織に負担をかける
歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯周組織に強い力をかける習慣です。睡眠中の歯ぎしりでは、想像以上に強い力が歯にかかることがあります。
このような力が長期間続くと、歯の周囲の組織に負担が蓄積し、歯肉退縮の一因になることがあります。
歯のすり減りや歯頸部の欠損が見られる場合、歯ぎしりや食いしばりが関係していることもあります。
4. 歯周病が原因の知覚過敏はどう対処すればいい?

歯根が露出して知覚過敏が起きている場合でも、原因や症状の程度に応じて対処することで、症状の軽減が期待できることがあります。
4-1. 軽度なら知覚過敏用歯磨き粉で症状が和らぐことがある
知覚過敏用歯磨き粉には、象牙細管を封鎖する成分や、神経への刺激を伝わりにくくする成分が配合されているものがあります。
継続して使用することで、徐々に症状が落ち着く場合があります。ただし、すぐに効果が現れるとは限らないため、一定期間の使用が必要になることがあります。
4-2. 歯周病が原因の場合は歯周基本治療が必要になる
歯周病が原因の場合、歯周病自体の治療が重要になります。
歯石や細菌を除去するスケーリングやルートプレーニングなどの歯周基本治療によって炎症を抑えることで、歯ぐき下がりの進行を抑えられる可能性があります。
4-3. 症状が強い場合は歯科での処置が効果的
知覚過敏の症状が強い場合には、歯科医院で薬剤を塗布する処置が行われることがあります。象牙細管を封鎖する薬剤などを使用することで、症状の軽減が期待できることがあります。
4-4. 重度の歯ぐき下がりでは歯肉移植術が検討されることもある
歯ぐき下がりが大きく、歯根の露出が強い場合には、歯肉移植術が検討されることもあります。
歯肉移植術では、露出した歯根を歯肉で覆うことで、知覚過敏の軽減や見た目の改善が期待されることがあります。ただし外科的処置となるため、適応については歯科医師と十分に相談することが大切です。
5. 歯周病による知覚過敏を予防する方法

知覚過敏を防ぐためには、歯周病を予防し、歯ぐき下がりを防ぐことが重要です。
5-1. 歯ぐきを傷つけない正しいブラッシング方法
歯磨きでは、やわらかめの歯ブラシを使用し、軽い力で小刻みに磨くことが基本です。歯と歯ぐきの境目を意識して、強くこすりすぎないようにすることが大切です。
また、歯間ブラシやデンタルフロスを併用することで、歯周病の原因となるプラークを効率よく除去することができます。
5-2. 定期的な歯科チェックで歯周病の進行を防ぐ
歯周病は自覚症状が少ないため、定期的な歯科検診で状態を確認することが重要です。歯科医院で専門的なクリーニングを受けることで、歯石やプラークを除去し、歯周病の進行を防ぐことにつながります。
また、喫煙や生活習慣なども歯周病の進行に影響することがあるため、日常生活の見直しも予防の一つといえるでしょう。
まとめ|知覚過敏の背景に歯周病がある場合は早めの対応を
歯周病による歯ぐき下がりは、歯根の露出を招き、知覚過敏を引き起こす大きな原因となります。原因は歯周病の慢性的な炎症だけでなく、強すぎるブラッシングや歯ぎしり、生活習慣など多岐にわたります。露出した歯根は、知覚過敏用歯磨き粉や歯科医院での専門的治療によって症状の改善が期待できます。大切なのは、早期発見と継続的なケアです。
正しいブラッシング習慣と定期検診を心がけ、歯周病の進行を防ぐことが、将来の歯の健康を守る鍵となります。
いまみや歯科医院
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