インプラントはほかの治療法と比べると専門性が高く、歯の状態によっては難しい治療です。そのためどこで治療を受ければよいか、医院選びに悩む方も多くいらっしゃいます。インプラント治療には専門医がいますが、今回は「何を基準としてどのように選べばよいか」8つのポイントについてご紹介します。専門医で治療を受けるべき理由もあわせて解説します。
目次
インプラント専門医とは?
インプラント専門医は、一定の治療技術をクリアした人のみが保有している資格保有者のことを指します。世界中でインプラントの団体が複数あり、各団体がそれぞれ資格制度を設けています。資格を取得するには、研修や講義に出席したり発表したりして資格を取得する必要があります。
インプラント治療を専門医で受けるべき理由
インプラント治療は歯科医師であれば、だれでも治療を許可されています。しかし、「かかりつけ医だから」、「近くにあるから」
という理由だけで選んでしまってはリスクがあるかもしれません。
インプラントは専門知識や経験が必要な治療であるため
インプラント治療は歯科医師であればだれでも治療は許されているものの、専門的な知識や豊富な経験を必要とします。そのため歯科医師のなかでも技術の差が生じるうえ、インプラント未経験の歯科医師もいます。歯科医院を選ぶときに迷ったら、インプラント専門医がいる歯科医院を探すとよいでしょう。ただし、専門医でなくても経験豊富で腕のよい医師もいます。上述したとおり、専門医の資格を取得するには、研修や講義への参加などが必要であるため、それらに時間を割かなければなりません。時間がないために資格を保有していないだけで、優秀な医師は存在するのです。そのため、専門医でなければ技術がないというわけではなく、専門医がいるという知識を持っておけば、迷ったときに歯科医院を選びやすくなります。
治療が長期に渡りメンテナンスが必要なため
インプラントは治療して終わりではなく、その後もメンテナンスを継続していく必要があります。入れ歯やブリッジなどの治療法に比べると、長期間の治療や長持ちさせるためのアフターケアが必要となります。長年にわたりご自身の歯を信頼して任せられるよう、専門医の治療を受けるべきといえます。
インプラント専門医を選ぶ際の8つのポイント
インプラント専門医を選ぶ際に、費用の安さだけで選んでしまうのは心配です。ここでは8つの大切なポイントをご紹介します。
ポイント1 治療数・実績はどのくらいあるか
インプラント専門医を選ぶうえで、もっとも簡単なポイントは「治療数の多さ」です。インプラント治療では、顎の骨に穴を空けてインプラントを埋め込む手術を行いますが、患者の顎の骨の状態によっては、骨を補強する処置などが別に必要になります。患者の状態によって治療内容が異なるため、実績が多いとそれだけ多くの症例を扱ったという証になり、安心して任せられるようになります。
ポイント2 インプラント以外の治療にも精通しているか
インプラント治療は、従来の治療とは異なる専門的な技術が必要です。またインプラントの技術だけではなく、口内の治療技術を持っているかも大切です。インプラントは虫歯のリスクはないものの歯周病のリスクは伴い、感染症を起こす恐れもあります。そのため、口内全体の治療技術をもった歯科医師である必要があります。
ポイント3 院内の検査設備が整っているか
インプラント治療では、正確に検査できる設備が整っているかも選ぶポイントです。顎の骨の量や神経、血管の状態を詳しく調べなければ、正確な治療プランは立てられません。口内を立体的に検査できる設備にはCTや口腔内スキャナーなどがあり、これらの設備がなければ他院での検査が必要となる可能性があります。そのほかにも、設備や環境が整っていることは治療レベルの高さを判断する指標ともいえます。
ポイント4 専門医は定期的に学会や研修会に参加しているか
インプラント治療やそのほかの歯科治療も、技術は日々進んでいます。定期的に学会や研修会に参加することで、最新の技術や情報に触れられます。ホームページなどに学会や研修会に参加したことを記載している歯科医院もあるため、事前にチェックしてみましょう。
ポイント5 医師との相性があうか
医師との相性が合うかどうかは、通院を続けるうえで大切なポイントです。インプラントは長く治療を行っていくため、医師との付き合いも長くなります。誠実に自分に向き合ってくれるか、丁寧に説明してくれるかなどが判断するポイントです。
専門用語ばかりを使って説明がわかりにくい、こちらの話を聴いてくれないなどの場合、不安を抱えたまま治療を進めなければなりません。リラックスして治療を受けるためにも、医師との相性も大切にしましょう。
ポイント6 事前にカウンセリングや問診があるか
最初に行われるカウンセリングや問診も大切なポイントです。口内の状態を把握することで、治療のスケジュールや費用など具体的な内容が決まります。審美性や耐久性の優れた素材を使いたいのか、それとも費用を重視したいのかなど、要望によって用いる素材も変わります。治療の前にしっかりとカウンセリングしてもらえなければ、あとから想定外のことが起こることも考えられます。不明点や不安な要素をしっかりと相談できるか、チェックしておきましょう。
ポイント7 料金説明、手術説明が明瞭か
インプラント治療は自費診療となり、費用は高くなる傾向にあります。1本いくらといわれても、その費用には検査や手術費用などが含まれているかはわかりません。また、手術内容やスケジュールなども詳しく把握しておく必要があります。
インプラント治療は骨にインプラントを埋める手術と、インプラントに土台などを装着する手術は別に行い、治療跡が治癒するのを待つ必要もあります。これらの説明を詳しくしてくれるかが大切で、納得しないまま治療を開始するとあとから想定していた内容と違ったとなることがあります。
ポイント8 スタッフの対応がよいか
スタッフの対応は治療にも影響します。スタッフ同士のコミュニケーションがとれていなければ治療もスムーズに進まず、人為的ミスのリスクも高まります。またスタッフの雰囲気が悪いと、患者側も落ち着いて治療を受けられません。治療に集中するためにも、スタッフの対応のよさも判断材料としましょう。
まとめ
インプラントの治療はどの歯科医でも治療を許可されていますが、どこでも治療してくれるとは限りません。そのためかかりつけの歯科医院に相談しても、治療してくれないこともあります。インプラントは、専門的な技術や経験をもっている専門医にかかることをおすすめします。ホームページをチェックすると、実績や設備などを事前に確認できます。そして実際にカウンセリングを受けてみてから判断するとよいでしょう。